地下水保全をめぐるガバナンスの動態:──熊本地域を事例として──  [in Japanese] The Dynamic State of Public Governance for Conservation of Groundwater:-A case study of Kumamoto area-  [in Japanese]

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Abstract

水資源の希少性がこれまで以上に顕在化することが予期されている今世紀であるが,生命や生活の維持に使用できる淡水資源のなかで,少なくない割合を占めているのが地下水である。日本においても,生活用水や産業用水を地下水に大きく依存している地域は数多く存在するが,本論文で取り上げる熊本市を中心とした11市町村によって構成されている熊本地域は,合わせて約100万人が生活用水等を地下水に依存している。熊本地域の地下水保全では,高度成長期以降において都市化の進展と農地面積の減少が地下水の涵養量に影響を及ぼしてきたことを受けて,それを回復させるための水量保全を中心に展開されてきた。そこでは,熊本県や熊本市などの行政に住民,農家,農業関係団体,および事業者も加わるかたちでガバナンスが形成され,一定の成果をあげてきた。他方で,近年においては水質保全に関する課題が顕在化してきたが,そのなかでも硝酸性窒素の削減においてはガバナンスの形成が進んでいないのが現状である。なぜこのような対照的な状況が生じているのであろうか。本論文ではその原因を,地下水保全をめぐるガバナンスの動態という観点から探っていく。IIでは,熊本地域の地下水保全をめぐる特徴について,単一の行政区域を超えた空間スケール,多様なアクターの関与,水量保全に水質保全が加わってきた政策展開を通して整理する。IIIでは,熊本地域の地下水保全をガバナンスの動態から分析するための枠組みを,流域ガバナンスの知見を参考にしながら示す。そしてIVではこの枠組みを用いて,水量保全のガバナンスの事例として白川中流域の地下水かん養事業を,また水質保全のガバナンスの事例として硝酸性窒素削減対策をそれぞれ取り上げる。これらの事例の比較分析を行うことによって,ガバナンスの動態要因を明らかにする。

Journal

  • Water Science

    Water Science 58(6), 1-27, 2015

    Japan Forest Conservation Association

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130006836926
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00125003
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    journal article
  • ISSN
    0039-4858
  • NDL Article ID
    026147169
  • NDL Call No.
    Z16-140
  • Data Source
    NDL  J-STAGE  JASI 
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