書誌事項
- タイトル別名
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- Structure, function and evolution of serine/aspartate racemases.
- セリン/アスパラギンサン ラセマーゼ ノ コウゾウ ト キノウ ノ シンカ
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抄録
タンパク質を構成するアミノ酸は,グリシンを除いて全てL体である。そのため,生物はアミノ酸の2種類の光学異性体のうちL体のみを選択的に利用していると長年考えられてきた。しかし,近年様々な動物に遊離型のD-アミノ酸が存在することが報告され,それらが生理機能をもつことが明らかになってきた。一方で,動物での遊離型D-アミノ酸の広範囲な分布とは異なり,D-アミノ酸の合成酵素であるアミノ酸ラセマーゼは,非常に限られた生物種でしか発見されていなかった。我々は,D-アミノ酸の存在同様,アミノ酸ラセマーゼも動物界に広く分布して存在するのではないかと考え,その遺伝子の探索を進めた。まず,哺乳類から報告されていたセリンラセマーゼのホモログ遺伝子を複数の動物門の生物から単離し,その酵素機能を確認した。その結果,動物に広く存在するセリンラセマーゼのホモログは,セリンラセマーゼ,またはアスパラギン酸ラセマーゼとして機能し,セリン/アスパラギン酸ラセマーゼファミリーを形成することがわかった。本稿では遊離型D-アミノ酸の分布と生理機能,セリン/アスパラギン酸ラセマーゼの構造と機能の進化について紹介する。
収録刊行物
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- 比較生理生化学
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比較生理生化学 33 (2), 68-76, 2016
日本比較生理生化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679647197440
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- NII論文ID
- 40020889099
- 130006847647
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- NII書誌ID
- AN10391932
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- ISSN
- 18819346
- 09163786
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- NDL書誌ID
- 027501891
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可