日本語を母語とする特異的言語発達障害児における格助詞の誤用

• 村尾 愛美

  東京学芸大学研究員

• 伊藤 友彦

  東京学芸大学教育学部

書誌事項

タイトル別名

• Case-Marker Errors in Japanese Children with Specific Language Impairment
• ―自然発話と実験課題の誤用率の比較―
• —Comparison of Error Rates in Spontaneous Speech and an Experimental Task—

抄録

日本語を母語とする特異的言語発達障害児（以下SLI児）が格助詞の使用に困難を示すことが明らかになっている．このことから，格助詞の誤用が日本語のSLI児の臨床的指標の一つとなる可能性が示唆される．しかし，格助詞の自然発話および実験課題における誤用率は明らかになっていない．本研究では，SLI児の自然発話における格助詞の誤用率と実験課題における格助詞の誤用率を明らかにすることを目的とした．対象児は小学2～5年生のSLI児9例であった．本研究の結果，SLI児の自然発話の誤用率は1.5％であった．これに対して，実験課題の誤用率は53.1％であり，自然発話よりも著しく高かった．この結果から，日本語を母語とするSLI児を同定するためには，自然発話のみならず，実験課題も必要であることが示唆された．

収録刊行物

• 音声言語医学

  音声言語医学 58 (2), 177-184, 2017

  日本音声言語医学会

キーワード

• 特異的言語発達障害
• 格助詞
• 自然発話
• 実験課題

詳細情報

• CRID: 1390001204901099008
• NII論文ID: 130006865576
• DOI: 10.5112/jjlp.58.177
• ISSN: 18843646
• ISSN: 00302813
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/58/2/58_177/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2017275439
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可