耳鼻咽喉科外来を「ことばの問題」を主訴に受診した小児の現況と問題点

  • 阪本 浩一
    兵庫県立こども病院耳鼻咽喉科 大阪市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学
  • 大津 雅秀
    兵庫県立こども病院耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • Current Status and Problems Relating to Children Examined for "Speech and Language Delay"

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抄録

<p>「ことばの問題」を主訴に受診した小児について,難聴の有無とその原因に関する検討を行った.当科を「ことばの問題」で受診した167例(男児111例,女児56例)を対象とした.平均年齢は2.99歳±1.77歳であった.これらの症例に,年齢発達に応じた,聴力検査を適宜組み合わせて聴力評価を行った.また,言語聴覚士による言語評価,発達検査を行った.少なくとも片側30 dB以上の難聴が存在していると考えられた症例は,23例(14%)であった.原因で最も多いのは滲出性中耳炎10例(43%),次いで両側中等度難聴5例(22%),両側高度難聴3例(13%),一側性難聴3例(13%),一側高度一側中等度難聴2例(9%)であった.滲出性中耳炎を除いた難聴例13例のうち,10例で補聴器の装用が必要であった.一方,聴力正常範囲と判断された144例の診断は,精神発達遅滞が50例(35%),広汎性発達障害47例(33%),言語発達遅滞,構音障害が35例(24%),不明12例(8%)であった.結果より難聴児の検査体制の整備,特に1歳6ヵ月での耳鼻科検診の重要性が再認識された.</p>

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