大都市圏における臨海部立地に関する政策の歴史と課題

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  • History and Issues of the Coastal Industrial Location Policy in Metropolitan Areas
  • ダイトシケン ニ オケル リンカイブ リッチ ニ カンスル セイサク ノ レキシ ト カダイ

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抄録

<p>    我が国の臨海部は,特に太平洋ベルト地帯を中心にエネルギー革命に伴う石油・鉄鉱石等の海外からの原材料輸入に適した立地地点として注目された.政府も臨海部立地を進めるため基盤整備を図り,鉄鋼・石油化学等の基礎素材型工業が数多く立地した.特に大都市部の臨海部は,大消費地にも近く基盤整備も早くから進み,日本の高度成長を立地の面から支えた.一方で特に大都市部は過集積の弊害をもたらし,臨海部も同様に工業の立地制限が行われてきた. <BR>    しかし,オイルショックを契機に産業構造は大きく転換し,臨海部には多くの未利用地が生じた.また急速なグローバル化の進展のなかで,海外生産比率が上昇し,これまでの立地規制が工業集積の崩壊をもたらした.このため大都市部の立地規制は,1990年代後半から政策の転換が図られた.これにより一部の臨海部工業地域には製造業の回帰もみられつつある.さらに,大都市部の臨海部は,近年の都市再生や国家戦略特区等の規制緩和を通じた成長政策と連動し,新たな産業創造の拠点へと変貌しつつある. <BR>    一方,こうした成長戦略に伴う規制緩和は,大都市と地方の格差の拡大につながり,そのあり方についてさらなる検討が必要と思われる.</p>

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