Superb Microvascular Imaging (SMI)で観察した頸管妊娠の1例

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タイトル別名
  • A case report of uterine cervical pregnancy evaluated by Superb Micro-vascular Imaging

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抄録

SMIはカラードプラの中でも,独自のアルゴリズムを用いて,組織の動きの特徴を解析してその信号を分離し,モーションアーチファクトを大幅に減らすことができる技術で,微細で低流速の血流を捉えて画像化することが可能である.本報告では,妊娠の初期で,パワードプラを用いても血流を描出するのが困難な頸管妊娠に,SMIを用いて評価が可能であった1例を示す.症例は,最終月経より妊娠6週1日,経腟超音波で子宮内膜は均一にややhighechoicに肥厚していたが,子宮内に胎嚢を認めなかった.子宮頸管内にhighechoicな輪郭をした類円形の嚢胞状の無エコー領域があり,white ringを有する胎嚢と考えられた.胎児心拍を認めず,頸管妊娠もしくはその流産と診断した.従来の超音波パワードプラ検査では,絨毛周囲,脱落膜に血流を描出できなかったが,SMIでは,絨毛を取り囲むような脱落膜の微細な血管を描出できた.血中hCGは2,899 IU/lであった.経過観察中に上昇傾向を認めたため,頸管妊娠が継続していると考えてMTX 50 mg/m2(70 mg/body)を筋注した.7日後,頸管内に同様に胎嚢認め,SMIではその周囲に血流を描出できたが,入院時のものと比べて減弱していた.MTX投与12日後,出血と腹痛があり絨毛,胎嚢の娩出を認め,血中hCG は39 mIU/mlとなった.SMIでは頸管や子宮下節の内膜にドプラ信号を検出しなかった.その後,病理組織診断で娩出物に絨毛を確認し,hCGの再上昇は認めていない.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 44 (3), 283-287, 2017

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (8)*注記

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