<b>会計上の見積りを巡る不正な財務報告に対する監査のあり方 </b>

書誌事項

タイトル別名
  • An Essay on Auditing Accounting Estimates
  • 会計上の見積りを巡る不正な財務報告に対する監査のあり方
  • カイケイ ジョウ ノ ミツモリ オ メグル フセイ ナ ザイム ホウコク ニ タイスル カンサ ノ アリカタ

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抄録

<p>会計上の見積りとは,特定の財務諸表項目について,正確な測定手段がない場合の貨幣金額の概算値をいい,そこには常に見積りの不確実性が伴う。したがって,監査人によって合理的であると判断された経営者の見積額と,見積りの最終的な帰結との間に差異が生じることは,ほとんどの場合避けられない。当該差異を会計上の見積りにおける「予測の誤り」と捉えると,この「予測の誤り」には,会計上の見積りが将来予測等を含む主観的判断に依存することに起因して本来回避できないものと,経営者による意図的な予測の誤りに相当するものがあると考えられる。このうちの,後者が,会計上の見積りにおける不正な財務報告である。会計上の見積りの監査においては,監査人による見積りの推定区間(許容範囲)を,経営者による意図的な予測の誤りのリスクを通してコントロールすることで,会計上の見積りを巡って行われる不正な財務報告に対処することが必要である。</p>

収録刊行物

  • 現代監査

    現代監査 2012 (22), 14-23, 2012

    日本監査研究学会

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