凍結標本を用いた Flow Cytometry による low grade 腎癌の核DNA量解析

書誌事項

タイトル別名
  • FLOW CYTOMETRIC ANALYSIS OF NUCLEAR DNA CONTENT USING FROZEN TISSUE SPECIMENS FROM LOW GARDE RENAL CELL CARCINOMAS
  • 組織学的異型度分類との比較検討
  • Correlation to Morphologic Grade

抄録

22例の low grade 腎細胞癌に対して凍結組織を用い, Flow Cytometry (FCM) による核DNA量分析を行ない, 形態学的な核異型度との関係を比較検討した. DNAヒストグラムの解析には, 癌細胞のG0/G1ピークチャンネル数を正常組織のG0/G1ピークチャンネル数で割った相対的指数であるDNA index (DI) と, 全細胞数に占めるS期とG2+M期細胞数の割合である%Proliferative Compartment (%PC) を用いた.<br>1) 正常組織の核DNA量は全て diploid を示し, 腎癌では grade 1の29%, grade 2の47%, 腎癌全体では41%の aneuploid を示したが, 統計学的には有意差がなかった.<br>2) grade とD1値間には明らかな関係が認められなかったが, aneuploid を示した9例中6例は near triploid region に cell clone を認めた.<br>3) %PCは, grade 2の腎癌では正常腎に比較して有意に上昇していたが, grade 1の腎癌では正常腎, grade 2の腎癌とは統計学的有意差を認めなかった.<br>4) 形態学的核異型度分類における grade 1, grade 2の腎癌の間には, 核DNA量解析においては明らかな違いをみいだせなかった.

収録刊行物

キーワード

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ