電子医薬品集にリンクした添付文書参照システムの構築と運用

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抄録

〈緒言〉近年、オーダリングシステムや電子カルテシステムの導入によってコンピュータ端末がより身近な存在となり、院内ネットワークを利用することで医薬品情報をはじめ様々な情報を共有することが可能になった。しかし、最新の情報を提供するためには、医薬品情報の頻回にわたる更新、膨大な労力と時間、コストの問題からも難しい状況にある。 その配信方法においても医療従事者が必要とする際にはいつでも最新情報を見慣れた形式で閲覧できるシステムを構築し運用することは非常に有用であると思われる。そこで、今回市販データベースソフトウエアのMicrosoft Access 2003を用い、オーダリングシステム端末上で利用可能な院内電子医薬品集とそれにリンクした添付文書参照システムの構築と運用について検討を試みたので報告する。<BR>〈方法〉1.医薬品集の機能・項目の検討<BR>簡便な操作性、必要最小限な機能、シンプルな表示とし薬品検索は医薬品の商品名または一般名の一部を入力することで可能にした。  検索薬品表示後にはワンクリックで情報の印刷や同効薬品の表示および各製薬会社から提供される医薬品添付文書のPDFファイルを表示する。<BR>2.利用可能な端末の検討<BR>医事ネットワーク上のデスクトップ端末103台(オーダリング端末62台、レセプト端末28台、看護システム端末7台、事務用端末6台)。OSはすべてMicrosoft Windows XP Professional SP2である。<BR>3.利用端末における更新方法の検討<BR>各端末における更新は、メンテナンスフリーにするために端末起動時または24時間毎に操作の必要なしで自動に更新されたファイルをダウンロードしサーバーと同期する。<BR>4.医薬品情報の更新・チェック機能の検討<BR>情報更新はサーバー上で随時行い、医薬品添付文書のPDFファイルは、各製薬会社の提供または医薬品医療機器情報提供ホームページよりダウンロードしサーバー上のファイルを更新する。添付文書改訂情報はインフォコム社の医薬品データベースDICSを利用し更新をチェックする。<BR>〈結果〉日常業務の中で検索したい医薬品情報は医薬品集に掲載されている薬品の効能・効果や用法・用量であることが多い為、その内容を短時間で検索し充分理解できることが重要である。また、その内容では不十分な際、より根拠に基づく詳細情報である添付文書の参照が出来るように、電子医薬品集は紙媒体の医薬品集をデータベース化した基本の医薬品情報と医薬品添付文書PDFファイルの2段階とした。また、薬効分類は実務に使用できる分類がないため、当院で細分化し同効薬品の検索および表示に利用した。<BR> 医薬品情報の更新や添付文書の改訂は不定期に案内があるうえ、随時行う必要があり平成19年度は当院採用1,362品目のうち815品目の添付文書改訂があったがチェック機能により更新時期を容易に把握することができた。また、各端末はサーバー上のファイルを参照するのではなく任意にファイルをダウンロードして使用できるため、常時ネットワークに接続していないモバイル端末でも使用可能であり、複数の端末での同時使用やメンテナンス中にも制約を受けることなく使用できる。今後、電子医薬品集の需要も高まることが予想され、電子医薬品集の機能向上を図ることが重要である。

収録刊行物

  • 日本農村医学会学術総会抄録集

    日本農村医学会学術総会抄録集 57(0), 322-322, 2008

    一般社団法人 日本農村医学会

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