住環境整備のPTの介入に影響を及ぼす要因について

DOI
  • 浅田 春美
    群馬パース大学保健科学部理学療法学科
  • 蛭間 基夫
    群馬パース大学保健科学部理学療法学科 和洋女子大学総合生活研究科博士後期課程
  • 奥野 泰弘
    群馬パース大学保健科学部理学療法学科学生
  • 小畑 奈々美
    群馬パース大学保健科学部理学療法学科学生
  • 三野 恭兵
    群馬パース大学保健科学部理学療法学科学生

Bibliographic Information

Other Title
  • 支援の介入状況に影響を及ぼす要因について

Abstract

【目的】住環境整備(住宅改修及び福祉用具導入)の支援において計画立案や整備後のフォローアップの段階でPTの介入が求められている.前報告は支援経験の有無に応じた住環境整備に対する視点を考察した.本報告は住環境整備の介入状況に応じて経験者を分け,業務実態や意識を明らかにし,PTの専門性を明らかにする一助とする.【方法】調査方法の詳細は前報告に記載する.住宅の工事や用具の設置以降も様々なフォローの段階に介入するPTをAll群,工事や設置までで介入を終えるPTをPre群と分類した.【結果】(1)改修経験者はAll群63.3%,Pre群36.7%であった.設置経験者はAll群72.8%,Pre群27.2%であった.(2)PTが改修に介入する意義は両群とも改修前の「動作確認」(All群95.0%,Pre 群92.8%)が高かった.設置でも同項目が高かった(All群88.9%,Pre群84.4%).また,改修・設置後のフォローに意義があるとしたのは改修・設置ともAll群が高かった.(3)改修の効果判定として「動作・ADL変化」が高かった(All群32.8%,Pre群24.6%).設置でも同項目が高かった(All群39.2%,Pre群31.3%).ただし,Pre群では「対象者の意見」が上記項目と同水準だった(改修Pre群24.6%,設置Pre群29.7%).(4)改修への介入で苦慮する項目として「知識不足」が高かった(All群58.8%,Pre群63.8%).また,設置でも同項目が高かった(All群45.5%,Pre群54.7%).【考察】住環境整備における計画立案やフォローでのPTの役割や介入意義が報告されている.また,フォローに介入することでPT自身のスキルアップにつながるとされる.ただし,本調査ではPre群が約3割存在し,これらにはPTに求められる役割やスキルアップが不十分になる可能性がある.Pre群はAll群と比べ住環境整備で苦慮する項目は同傾向であるが,フォローへの介入に対する意義意識は低い.つまり,Pre群の介入状況を規定するのは苦慮する項目ではなく,自身の考えであることが示唆される.また,Pre群は効果判定でフォローに介入していないため対象者の意見を重視する傾向があり,住環境整備後の生活状況を専門的な視点で分析できていない可能性が示唆される.【まとめ】Pre群ではフォローに対する意義意識が低く,それが介入状況に影響を及ぼしていた.また,フォローに介入していないため専門的な視点での効果判定が難しく,スキルアップにつながりにくかった.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205527740672
  • NII Article ID
    130006950574
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.29.0.81.0
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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