起床前漸増光が児童の睡眠と生活の質に与える影響

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タイトル別名
  • The Effect of Dawn Simulation on Children's Quality of Sleep and Life

抄録

これまでも大人社会の生活の夜型化と睡眠不足傾向は子ども達にも影響を及ぼし、その心身の健康や学力、ひいては生活の質全体に影響を及ぼすことをこれまでも報告してきた。そこで今回は生活習慣を改善する試みの一環として、起床困難や朝の気分の悪さを起床前漸増光(以下「漸増光」)照射で改善できるのかについて、小学校4、5年生の生活・睡眠記録の分析により検討を行った。事前承諾を得た富山県の33家庭に起床前漸増光照明を子ども部屋に設置し、11月から1月において30日以上の睡眠・生活記録を実施し,延べ1105日分を分析した。その結果、漸増光を使用した方が、平日も休日も有意に早く就床および起床する傾向がみられた。起床時の気分は平日において明確な差があり、漸増光「無し」では「気持ちよい」目覚めが35.0%に対し、「有り」では58.6%と増加した。その後の朝の気分も同様に「気分が良い」が「無し」では50.0%に対し、「有り」では67.1%であった。さらに平日の昼間の集中力でも「無し」では「とても集中できた」が44.3%に対し、「有り」では64.3%と有意差が認められた。その他、一日の気分が「楽しかった」も漸増光有りで84.6%(無しは71.1%)と有意に多かった。以上の結果から、起床前漸増光照明により、児童の睡眠習慣の改善と、起床時および昼間の生活の質が改善されることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680529909120
  • NII論文ID
    130006954736
  • DOI
    10.11515/ieijac.43.0.82.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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