年越し・正月の食習慣に関する実態調査

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タイトル別名
  • Custom of eating Japanese new years dishes

抄録

目的 年越しから正月、七草、鏡開きと、新年を祝うための行事は日々の生活の節目として古来日本各地で大切に行なわれてきた。それに伴う行事食もハレの料理として受け継がれている。しかし近年、生活様式の変化による調理の外部化、簡素化の進行は、伝統的な食習慣に少なからぬ影響を与えていると考えられる。そこで現在の年越し・正月(年末年始)の食習慣の実態を調査し、地域性との関連から行事食の変化の有無を知ることを目的とした。<br>方法調査は自記式調査票により行ない、日本全国の大学・短期大学の学生を調査対象とした。2001年12月に調査票を配付、2002年1月に回収し、2608名から有効回答を得た。<br>結果年越し(大晦日)に決まって食べるものは日本そばが最も多く、全国での喫食率は74.8%であった。沖縄では沖縄そばが58.8%と多く、日本そばは31.4%で、沖縄そばを年越し料理としていることがわかった。正月に食べるおせち料理の喫食率は全国平均で72.7%であり、手作りのおせち料理と市販品を合わせて利用している家庭が非常に多かった。そのうち市販のおせち料理セットは一割近くが利用していた。おせち料理の中で、最も喫食率が高いのは「黒豆」で、続いて「かまぼこ」、「数の子」、「きんとん」、「煮物」、「田作り」、「伊達巻」、「昆布巻き」、「なます」の順であった。「煮物」「なます」は手作りされることが多く、「伊達巻き」「かまぼこ」は既製品の割合が多かった。また、地域別に喫食率を比較すると「きんとん」は関東・東海で、「田作り」は東海・甲信・近畿で、「伊達巻き」は関東・甲信で特に喫食率が高かった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680534213632
  • NII論文ID
    130006955664
  • DOI
    10.11428/kasei.57.0.179.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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