高齢者の選択気温下における生理・心理反応 Physiological and Psychological Responses of Elderly under Preferred Air Temperature in Summer

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[目的]我が国では今世紀半ばには「超高齢社会」の到来が予測されており、福祉においてもそれに対応した高齢者の自立支援が行われつつある。一方で、加齢による温熱環境に対する感受性及び適応性の低下が指摘されており、高齢者自身により選択された室温が身体に悪影響を与える可能性が報告されている。本研究では被験者数を30名と多くとることにより老化という個人差の大きい事象に対してより一般性を確保し、既往の若齢者を対象とした実験結果との比較から高齢者の選択気温とその生理・心理反応を把握する。また、代謝量測定により身体熱収支の結果から選択された気温の適正を判断する。[方法]環境調節室において着衣量0.4cloとし被験者自身が快適と感じるよう120分間自由に気温を選択する実験を行った。生理反応として皮膚温(12点)、心拍数、血圧、体重減少量を測定し、放熱量及び代謝量を求めた。心理反応として温冷感、快適感などの申告を行った。対象は健康な高齢女性30名(平均年齢70.5歳)を用い、比較対照として若齢者を対象とした同条件の実験結果を用いた。[結果]120分経過時に選択された気温範囲の個人差は若齢者とほぼ変わらず平均選択気温は27.0±1.3(SD)であり、心理反応にも差はみられなかったが、生理反応において若齢者に比べ躯幹部と末梢部の皮膚温に差ができにくく温熱環境適応に不利な点が見られた。25℃付近の低い気温を選択した被験者においては、気温低下に伴う心拍数の低下が有意に見られ、温熱環境評価においても良い評価が得られなかったため、身体にとって適切な気温よりも低い気温が選択されたと推測される。また、熱収支でも代謝量以上の放熱が見られ長時間の曝露が身体に与える影響は大きいと考えられる。

Journal

  • Abstracts of Annual Congress of The Japan Society of Home Economics

    Abstracts of Annual Congress of The Japan Society of Home Economics 56(0), 233-233, 2004

    The Japan Society of Home Economics

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