都市生活者の住まいに関する意識と経験

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書誌事項

タイトル別名
  • Housing Experience and Consciousness in Urban Area
  • Part3 Present Condition and Problem of Disaster Prevention
  • 第3報 防災に関する取り組みの現状

抄録

【目的】これまで防災対策は各々の専門家や行政、自治体が主体となって対応する問題として捉えられており、地震危険度評価システムや防災計画などの整備が進められてきた。しかし、その結果が生活者に正確に伝わっているとは言いがたく、また被害地震直後は恐怖心から地震に関心を持ち、対策を講じようとする生活者が増えるが、時が経つにつれて自分が生きている間には発生しないだろうと考えたり、最初から自治体の支援に期待するだけであったり、対策を講じても無駄だと諦めたりする。第3報では、生活者の防災意識に関する問題点を抽出し、生活者による耐災害性を高める行動を促進するために、どのような意識を変えることが必要かを考えることを目的とした。【方法】2002年9~10月に、都内生活協同組合から協力を得て、組合員を対象にアンケート調査を行った。配布は直接配布、郵送配布の2通りで行い、回収は郵送回収とした。【結果】(1)都市生活者の防災に対する関心は高く、関心を持ったきっかけは過去の大地震の報道番組などメディアが大半を占めた。(2)阪神大震災レベルの大地震では、住居が何らかの被害を受けると考えている生活者が多い。(3)地震災害に対する準備として、飲食料や懐中電灯などの必要品を用意したり、避難場所へのルートを確認したりしている生活者が多く見られた。(4)住居が被害を受けると予想していながらも耐震診断や家具固定など、被害軽減策を積極的に行っている生活者はまだ少なく、居住地域の地震危険度を把握することが、防災対応行動に直結するとは限らないといえる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680535537920
  • NII論文ID
    130006957206
  • DOI
    10.11428/kasei.55.0.235.1
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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