西洋ニンジン葉抽出物によるガン細胞増殖抑制効果とそのメカニズムについて
書誌事項
- タイトル別名
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- Inhibitory mechanism of western carrot leaves extract on tumor cell growth
抄録
【目的】我々は昨年の本大会において、西洋ニンジン葉抽出物は、細胞分裂を阻止することによってガン細胞の増殖抑制効果を有することを報告した。そこで、本研究では、西洋ニンジン葉抽出物の抗ガン作用メカニズムについて検討し、その作用物質の同定を試みた。<BR>【方法】ガン細胞としてエールリッヒ腹水ガン細胞を用いた。ニンジン葉の乾燥粉末を有機溶媒(エタノール、クロロホルム、酢酸エチル、ブタノール)で分画し、凍結乾燥したものを実験に供した。<BR>【結果】ガン細胞の増殖は、西洋ニンジン葉の各抽出画分を添加することによって濃度依存的に抑制されたが、最も効果を示したものは酢酸エチル抽出画分であった。酢酸エチル抽出画分を添加してガン細胞に0?24時間曝露させた時の細胞増殖能を調べたところ、2時間の曝露で、細胞増殖能が急激に低下していたことから、細胞増殖能を停止させるシグナルは非常に速く伝達されることが示唆された。さらに、このメカニズムには活性酸素種が関与しているかどうかを検討するために、酢酸エチル抽出画分とカタラーゼを同時に添加したところ、細胞増殖能は回復しなかった。一方、酢酸エチル抽出画分の細胞周期におよぼす影響を調べたところ、高濃度の場合では細胞周期をG1期(DNA合成準備期)で停止させ、低濃度の場合ではG2/M期(細胞分裂準備期/分裂期)で停止させた。これはルテオリンの挙動と同様であったことから、酢酸エチル抽出画分にはルテオリンが含まれていることが示唆された。<BR>【結論】西洋ニンジン葉抽出物はガン細胞の増殖抑制効果を有すること、そのメカニズムとして、活性酸素種は関与しないことが明らかとなった。また、西洋ニンジン葉抽出物によるガン細胞の細胞周期におよぼす影響はルテオリンの挙動と同様であったことから、その作用物質は、ルテオリンであることが示唆された。
収録刊行物
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- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
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一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 58 (0), 164-164, 2006
一般社団法人 日本家政学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680535726976
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- NII論文ID
- 130006957384
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可