岐阜県における地域を基盤とした食教育の検討

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タイトル別名
  • A Study of Dietary Education Based on the Area in Gifu Prefecture

抄録

目的:従来の日本全体に共通する広域的な食教育ではなく、地域を基盤とした食教育を行うことで、幼児が身近な食に関心をもち、地域特有の伝統的な食文化が継承していけるのではないかと考える。そこで本研究では、地域における伝統的な食生活を把握するため、地域産物や旬の食材を活用した伝統食の伝承が岐阜県の中でも比較的残っている飛騨地域の日常食の特性を明らかにすることを目的とした。方法:調査は飛騨地域の12月から2月の冬季の食生活に注目し、食材の調達が困難な時季の人々の工夫や食生活の特性を知るため、日本の伝統的な日常食であるごはん及び大豆料理の調理方法と、食材の保存・加工方法を調べた。調査対象は、飛騨地域の中でも最北部にあり鉱山で発展してきた神岡町の65歳から80歳の男女18名と、飛騨地域の北西部に位置し冬季の平均気温が神岡町の0.8℃に比べて-0.2℃と低い農山地である白川村の40歳から73歳の男女14名に聞き取り調査を行った。結果:白川村では日常食のごはんに近隣の山の産物を加えることが多く、「栗飯」や「山菜おこわ」を食べる家庭がいずれも29%あり、これらは神岡町では食べられていなかった。飛騨地域の大豆料理には、朴葉にのせて焼く「朴葉味噌」や、すがたつまで茹で水分が少ないため保存性が優れている「こも豆腐」といった地域特有の調理方法があった。冬季の食材の保存方法としては「漬物」がすべての家庭で作られていた。神岡町では「寒干し」をする家庭が11%あり、これは白川村ではみられなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205559299840
  • NII論文ID
    130006957596
  • DOI
    10.11428/kasei.58.0.13.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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