保育所における食教育のかかわり方が保護者の郷土食伝承意識に与える影響について

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Influences of Parents' Awareness about Regional Dishes on Nutrition Education at Nursery School

抄録

【目的】日本の食文化や郷土食伝承が失われつつある現代,その背景には食生活の多様化や核家族化,問題の個別化がみられる.そのような中,子どもたちへ望ましい食教育を実施するために,保育所の食教育が保護者の郷土食伝承意識に与える影響を明らかにすることを目的とした.<br> 【方法】平成28年6月~11月にA園4~6歳児(32名),B園4~6歳児(37名)の保護者へ留置法によるアンケート調査を実施した.調査内容は幼児・保護者の属性,食生活状況,郷土食伝承実施の有無,郷土食伝承に対する意識だった.調査項目の調査園間や保護者の回答間による比較解析をカイ二乗検定により行い,p<0.05で有意差ありと判定した. <br> 【結果】A園は食教育を実施する常勤栄養士がいたがB園に専門職配置はなかった.「子どもと郷土食の話や調理体験をした」人はA園17名(53.1%),B園7名(18.9%)だった.また,食育活動をするA園がそれらを行っていないB園と比較して「郷土食伝承の必要性がある」と考える保護者の割合が高かった.伝承方法は「保育園での教育」が最も多く,「家庭伝承」,「地域の方のご指導」の順だった.一方,「郷土食の話・体験あり」と回答した保護者と「体験なし」と回答した保護者の間に郷土食伝承に対する意識差が認められた(p<0.05).伝承しない理由を「郷土食の知識が無い」と回答しており,保護者の自己効力感を高める働きかけが必要と考えられた.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680537429760
  • NII論文ID
    130006958485
  • DOI
    10.11428/kasei.69.0_181
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ