河川中流域の河面を飛翔する水生昆虫類の飛翔行動について

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タイトル別名
  • Flight behavior of aquatic insects over river water surface

抄録

水生昆虫類の成虫は、産卵行動の一環として、川面の反射光を手がかりとして遡上することが知られている。また、分類群によって飛翔力が異なり、飛翔する高度にも違いがあると考えられる。本研究では、河川中流域における河面飛翔昆虫相を明らかにするために、千曲川にかかる10橋に河面より5 mの高さになるようにステッキートラップを設置した。捕獲された主な水生昆虫類はトビケラ類(429.6個体/m2/日)、カゲロウ類(294.1個体/m2/日)、ユスリカ類(1,457.3個体/m2/日)であった。これら3分類群の捕獲数は、坂城大橋(93 km上流)から冠着橋(87 km上流)までの地点で多い傾向が認められ、トビケラ類・カゲロウ類の大型個体はこの区間で多く採集された。また、粟佐橋(82 km上流)から下流の地点で捕獲数が少ない傾向が認められた。これらの結果から、水生昆虫類の飛翔数が粟佐橋付近で大きく変化することが示唆され、その理由として、粟佐橋付近で千曲川の河床勾配が急激に緩やかになることが考えられた。また、上流から下流にかけて、河床勾配の変化とともに捕獲される水生昆虫類の種構成、ならびに捕獲数が変化し、調査橋地点ごとに特徴が認められた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680597304064
  • NII論文ID
    130006980284
  • DOI
    10.11536/jsmez.62.0.64.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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