浴室改修困難な例に対するシャワー作成の試み

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抄録

【目的】<BR> 今回、借家のため住宅改修が困難であり入浴動作に過剰な努力を要していた50歳代女性に対して、機能的且つ安価な簡易シャワーを作成・設置することで入浴動作が快適なものとなったため若干の考察を含め報告する。<BR>【症例紹介】<BR> 氏名:50歳代女性 診断名:右被殻出血(H17年○月) 障害名:左片麻痺<BR> BRS<Lt>:U/E3 Fin3 L/E4 ADL面:自立 移動:独歩にて自立(装具あり)生活状況:アパートに一人暮らし、1/週の通所リハを利用中(介護度:要支援)needs:風呂には一人で入りたい。※借家のため改修の許可得られず、また経済的に余裕なし<BR>【シャワー設置状況・費用】<BR> 1:浴槽へポンプの挿入2:脱衣所にアダプタの設置3:浴室にノズル設置のためのアタッチメントを取り付け。合計\3,577 <BR>【結果】<BR> 今回、「安価で場所を問わず機能的」をコンセプトに簡易シャワーを作成した。費用としては約3577円と安価で浴室への設置ができ、電源の確保ができればどこでも使用することが可能となった。また、シャワーを設置したことで、入浴動作に選択肢が生まれ入浴時間の短縮、洗体動作への過剰な努力が軽減し、入浴を「きつい」から「楽しみ」なものにすることができた。<BR>【考察】<BR> 今回、本症例の「風呂には一人で入りたい。一人暮らしを続けたい」というneedsを原点に家屋改修が困難である中、快適に且つ安価で症例が満足できる入浴ができるようにシャワーを設置することを考えた。実際、浴室改修が困難な中でもシャワーを設置したことで洗体動作にはシャワーを使用し、温まりたい時には浴槽へ入るなど症例の入浴動作に選択肢を創ることができた。これにより、自宅での入浴が快適且つ楽しみなものとなったことは症例にとっては有効な一手段であったのではないかと考える。本症例を受け持ち、対象者のneedsを尊重し共通の目標に向かってアプローチを行っていくことはリハビリテーションの原点であることを再認識することができた。今後としても対象者と共通の目標を明確に持ち日々のリハビリテーションに取り組んでいきたいと考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680602043136
  • NII論文ID
    130006985542
  • DOI
    10.11496/kyushuptot.2007.0.91.0
  • ISSN
    24238899
    09152032
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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