根粒菌・菌根菌共生を司る因子TRINITYの解析I

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タイトル別名
  • <I>TRINITY</I> controls nodulation and mycorrhization concomitantly in <I>Lotus japonicus</I>

抄録

マメ科植物において、根粒非着生変異体の一部がアバスキュラー菌根菌非感染の表現型を示すことから、両共生系にシェアされる宿主遺伝子群の存在が明らかになってきた。ミヤコグサ共生変異体Ljsym71では根粒が全く着生せず、根粒菌の産生するNod factor処理によってカルシウムスパイキングが誘導されないうえ、菌根菌の内生菌糸は皮層に侵入することが出来ない。これらの表現型に基づき、我々はこの変異体の原因遺伝子を、菌根菌・マメ科植物・根粒菌の三位一体の共生システムを司る宿主因子「TRINITY (TRI)」と命名した。TRIは第一染色体南端にマップされ、近傍マーカーを基点に作製したBAC/TACコンティグについて、F2集団1833個体の解析からTRI座乗領域を約155kbにまで絞り込んだ。その領域内に予測された4候補遺伝子についての変異体の配列分析から遺伝子を同定した。TRIは約11kbにコードされており、機能既知のドメインを含まない新規遺伝子であった。Ljsym71変異体は、現時点でEMS処理及びカルス培養ストレスによる培養変異による14アレルを単離している。培養変異アレルの多くでは、100b~20kbの欠失が生じていることから、この領域は染色体レベルでのheterozygous deletion変異が生じるホットスポットであると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205626981504
  • NII論文ID
    130006987080
  • DOI
    10.14841/jspp.2004.0.439.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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