シロイヌナズナにおけるHMG-CoAレダクターゼ阻害剤に対する耐性変異体の単離と解析

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Isolation and Characterization of a Mutant that is Resistant to Lovastatin, a HMG-CoA Reductase Inhibitor

抄録

高等植物においてイソプレノイド化合物は、動物とは異なり、細胞質のメバロン酸(MVA)経路と、色素体の非メバロン酸(MEP)経路という2つの経路で生合成されている。この2つの経路によってそれぞれ異なる物質が生合成されているが、2経路間には代謝フローがあることが分かってきた。HMG-CoA レダクターゼはMVA経路の鍵酵素であり、lovastatinにより特異的に阻害される。本研究では、植物のMVA経路の制御機構を調べるために、シロイヌナズナのアクティベーションタグラインからlovastatin耐性変異体を探索した。その結果、複数の耐性変異体が取得でき、そのうちlovastatin 感受性の最も低い変異体を lovastatin insensitive 1 (loi1)と名付けた。loi1は劣性で表現型を示し、lovastatin有効濃度が高濃度にシフトしていた。さらにMEP経路の阻害剤であるclomazoneに対しても耐性があった。また、loi1毛状根においてMVA経路下流産物であるステロールを定量した所、総量が増加し、組成比が変化していた。これらの結果から、loi1変異体は、イソプレノイド合成経路に影響を受けていることが示された。loi1変異体において、T-DNAはpentatricopeptide repeatモチーフを有する機能未知のタンパク質をコードする遺伝子にタグされていた。本遺伝子の他の領域でのT-DNA挿入変異体も、loi1と同様の表現型を示したことから、本遺伝子がLOI1遺伝子座であることが明らかとなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680604446976
  • NII論文ID
    130006988023
  • DOI
    10.14841/jspp.2004.0.731.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ