Cry1Ac感受性および高度抵抗性コナガの中腸上皮細胞蛋白のCry1Aトキシンに対する結合能

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タイトル別名
  • Comparative study on capability of binding of BBMV proteins from Plutella xylostella which were highly resistant and susceptible to Cry1Ac using Bacillus thuringiensis Cry1A toxins

抄録

Btトキシンに高度抵抗性を示すコナガ系統(PXR)と感受性系統(PXS)を用い、それぞれの中腸上皮細胞膜蛋白へのCry1Aa, Cry1Ab, Cry1Acの結合特性を比較検討した。PXRの上皮細胞膜蛋白へのCry1Acの親和性はPXSのそれと同一な事がリガンドブロット解析、プラズモン共鳴解析で示された。即ちCry1Ac, Cry1Aaは速やかに膜蛋白に結合し結合量は最初の10分間で0.7ng/mm2に達した。一方Cry1Abは両系統の上皮細胞膜蛋白に殆ど結合しなかった。Cry1Abの結合は、コナガ中腸組織全体を用いたリガンドブロット解析でもネガティブであった。Cry1Acと結合した主要な膜蛋白のサイズは120, 110, 100kDaで、皆抗アミノペプチデース抗体に陽性であった。実験結果は、我々が予想した様な、トキシン受容体蛋白の結合能低下がPXR生成の原因ではなく、細胞膜とCry1Acとの相互作用に異常が生じ、Cry1Acが上皮細胞結合後に膜上に細孔を作れない為に抵抗性が生じる事を示唆した。更にはCry1Abと膜蛋白の結合様式はCry1Aa, Cry1Acのそれらとは異なることも示唆した。フォスファチジルコリンとフォスファチジルセリンを用いリポゾームを作製しCry1Abのりポゾーム破壊能を評価した所Cry1Abの脂質への親和性は他のCry1Aトキシンより高いことが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205628590848
  • NII論文ID
    130006988979
  • DOI
    10.11416/jsss.jsss72.0.66.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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