リボフラビン合成は植物免疫応答に関与する

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タイトル別名
  • Riboflavin Synthesis Participates in Plant Immunity

抄録

一酸化窒素(NO)と活性酸素種 (ROS)は様々なストレスに応答して生成されるラジカル分子であり,その生成は急激な応答反応であることから,それぞれNOバースト,オキシダティブバーストと呼ばれている.これまでに,ジャガイモ疫病菌由来のタンパク質エリシターであるINF1で誘導されるラジカルバーストが,MAPKカスケードにより制御されていることを明らかにしてきた(Asai et al. 2008 Plant Cell).今回,INF1や恒常的活性型MAPKKであるMEK2DDにより誘導される防御応答の分子機構を調べる目的で,約5,000遺伝子をウイルスベクターによりランダムにサイレンシングし,細胞死に関与するいくつかの候補遺伝子(CDA: CELL DEATH ASSOCIATED genes)を得た.この中で,リボフラビン合成に関与する遺伝子(CDA1)をサイレンシングしたベンサミアナタバコでは,INF1やMEK2DDにより誘導される細胞死が顕著に抑制された.リボフラビンは,リン酸化などの修飾を受けることで,様々な酵素(NADPHオキシダーゼ,NO合成酵素,硝酸還元酵素)活性に関与する補酵素であるFADやFMNに転換されることが知られていることから,NOやROS生成に関与する可能性が考えられる.CDA1をサイレンシングした個体におけるラジカル分子の生成および病害抵抗性について報告する.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630274560
  • NII論文ID
    130006990915
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.0245.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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