ジベレリン受容体の立体構造を基にした分子進化と基質特異性の解析

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タイトル別名
  • Structural basis for gibberellin recognition by its receptor GID1

抄録

ジベレリン (GA) 受容体、GID1 (GIBBERELLIN INSENSITIVE DWARF1) は酵素であるホルモン感受性リパーゼ (HSL: hormone-sensitive lipase) に似た一次構造を持つ。リパーゼ様受容体はこれまで報告がなく、動物など他生物までを視野にいれてもこれまでに知られていない仕組みによりGA受容が行われると考えられる。そこで、GID1とGAとの複合体の立体構造を解析し、GA受容機構の詳細の解明を試みた。<br> 活性型GAであるGA4もしくはGA3の結合したGID1タンパク質の立体構造をX線結晶構造解析により1.9Å分解能で決定した。GID1はその一次構造から予想されたように、HSLに典型的なα/β-hydrolase構造を有しており、GAはHSLの基質認識部位に相当するポケットに結合していた。本講演では、得られた立体構造を基に、1)酵素に似たGID1受容体がいかにしてGAを認識するのか、2)GAとこの受容体の関係は植物進化のいつ頃、どのように作られたのか、の2点について議論する。本研究の一部は、文科省「ターゲットタンパク研究プログラム」の支援をうけて実施された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680606994304
  • NII論文ID
    130006990929
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.0250.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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