植物の環境適応・被食防衛に応答するカルシウム依存リン酸化制御機構
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- 有村 源一郎
- 京大院・理 京大・生態学研究センター
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- Nagamangala Kanchiswamy Chidananda
- 京大院・理 京大・生態学研究センター トリノ大学
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- 高橋 宏隆
- 愛媛大・無細胞生命科学工学研究センター
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- Maffei Massimo
- トリノ大学
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- 吉岡 博文
- 名大院・生農
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- 石濱 伸明
- 名大院・生農
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- 高林 純示
- 京大・生態学研究センター
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- 澤崎 達也
- 愛媛大・無細胞生命科学工学研究センター
書誌事項
- タイトル別名
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- Arabidopsis CPK signaling pathway for gene regulation in defense responses to herbivores cross-talks with heat shock signal transduction
抄録
植物の食害防御シグナル伝達系においては植物細胞内のカルシウムのダイナミックスが初期シグナルとして重要な役割を担うことが示唆されつつある。本研究では、昆虫の食害によって活性されるカルシウム依存性タンパク質リン酸化酵素(Calcium-Dependent Protein Kinase: CPK)とCPKと相互作用する転写制御系に着目し、それらのシグナル伝達系を介した遺伝子転写制御機構の解明を試みた。<br> シロイヌナズナCPK遺伝子のT-DNA挿入変異体を取得し、ヨトウガ幼虫に被食された変異体における防御遺伝子の発現誘導を解析した。19系統の変異体の中でCPK3とCPK13の変異体は、野生株と比べ、防御遺伝子PDF1.2の発現誘導が著しく抑制されていた。コムギ無細胞タンパク質合成系を用いて作成された植物転写因子ライブラリーから、CDPKによりリン酸化される基質ターゲットに探索した結果、CPK3とCPK13がHsfB2aなどの転写制御因子に対してリン酸化活性を示した。また、CPK3あるいはCPK13を植物にHsfB2aと一過的に共発現することにより、PDF1.2の転写制御は促進された。しかし、シロイヌナズナの高温ストレス応答においてHsfB2aは抑制因子として機能したことから、CPK-HsfB2aの相互作用は食害ストレスと高温ストレスでは異なるメカニズムにより機能することが示唆された。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2010 (0), 0312-0312, 2010
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680607238656
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- NII論文ID
- 130006991275
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可