アブラナ科植物の受粉過程における花粉と乳頭細胞のCa<SUP>2+</SUP>ダイナミクス
書誌事項
- タイトル別名
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- Ca<SUP>2+</SUP> dynamics in a pollen grain and papilla cell during pollination of <I>Arabidopsis thaliana</I>
抄録
アブラナ科植物では、柱頭の乳頭細胞に和合花粉が受粉すると花粉は吸水し、花粉管を発芽・伸長させ、乳頭細胞に侵入する。花粉管はさらに伸張して子房に達し受精に至る。このような一連の受粉過程において、雌蕊と花粉管の間では情報交換が行われ、花粉(管)の発芽・伸長が制御されていると考えられている。本研究では、花粉(管)の吸水・発芽・伸長とCa2+動態との関係を明らかにするために、Ca2+センサータンパク質イエローカメレオン(YC3.6)を発現するシロイヌナズナを作出し、受粉時の乳頭細胞と花粉のCa2+濃度変動をモニターする系を構築した。その結果、花粉では、吸水後乳頭細胞との接触部位でCa2+濃度の上昇がみられ、乳頭細胞では、花粉(管)の発芽・伸長に伴って、Ca2+のダイナミックな変動が見られた。乳頭細胞でのCa2+濃度変動は、花粉表層物質単独で誘起されたことから、花粉表層にはCa2+変動を誘起する物質が含まれることが示唆された。さらに、乳頭細胞伸長時の花粉管の先端部のCa2+濃度変動をモニターした結果、花粉発芽培地上で見られるCa2+オシレーションは見られず、寧ろ非常に早く不規則なCa2+濃度変動が観察され、in vitroとin vivoでは、花粉管のCa2+動態が異なっていることが示唆された。さらに、受粉時に観察される活性酸素の発生、細胞骨格の変化、液胞の動態変化などについても紹介したい。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2007 (0), S026-S026, 2007
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205630911232
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- NII論文ID
- 130006991856
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可