オオムギアクアポリンの機能と塩ストレス応答

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タイトル別名
  • Function and regulation of PIP-type water channels in roots of barley under salinity stress

抄録

PIP型アクアポリン(Plasma Membrane Intrinsic Protein)は、水の透過孔を形成する細胞膜タンパク質であり、水輸送に重要な役割を果たしている。塩ストレス下におけるオオムギ(Hordeum Vulgare cv. Haruna-nijo)の根の水輸送特性を分子生物学的観点から解析した。発芽後4日齢のオオムギの根に、NaClを一定時間処理し定量的RT-PCR解析を行った結果、200 mMの塩処理によって10種中6種のHvPIP mRNAの蓄積量が顕著に減少した。プレッシャーチャンバー法によりオオムギ根の水透過性を性格付けした結果、200 mM NaClの塩処理によって根の水透過性が著しく減退する事が判明した。各種生物活性阻害剤を併用した解析から、オオムギ根の水透過性は、少なくともリン酸化によって制御されている事が強く示唆された。アフリカツメガエルの卵母細胞を用いて各HvPIPの水輸送特性を解析した結果、単独では水輸送活性を示さないHvPIP1型アクアポリンは、単独で高い水輸送活性を示すHvPIP2型と共発現する事により、HvPIP2型の水輸送活性を強める事が判明した。これらの結果をもとに、オオムギの根におけるHvPIPを介した水輸送機構、及び塩ストレス時の根における水輸送活性制御機構について議論する。(生研センター基礎研究推進事業の支援により実施)

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608462464
  • NII論文ID
    130006993101
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.s0029.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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