鉄欠乏応答性シスエレメント結合性転写因子IDEF1は鉄欠乏の初期応答に必須である
書誌事項
- タイトル別名
-
- The Transcription Factor IDEF1 is Essential for Early Response to Iron Deficiency in Rice Plants
抄録
植物は鉄欠乏に応答して鉄の吸収・利用に関与する遺伝子群の発現を誘導する。これまでに我々は、鉄欠乏応答性シスエレメント IDE1(Iron Deficiency-responsive Element 1)、IDE2および、これらに特異的に結合するイネの転写因子 IDEF1(IDE-binding Factor 1)、IDEF2を同定した。IDEF1はABI3/VP1転写因子ファミリーの新規のサブグループに属し、IDE1内のCATGC配列に特異的に結合する。鉄欠乏誘導性IDS2プロモーターの制御下でIDEF1を発現させた形質転換イネは、初期の鉄欠乏に耐性を示す。今回の発表では、このIDEF1発現誘導イネおよび、RNAi法により新規に作製したIDEF1発現抑制イネを用い、水耕栽培により経時的な鉄欠乏応答を詳細に検討した。IDEF1発現抑制イネは初期の鉄欠乏に感受性を示した。マイクロアレイ法および定量的RT-PCR法により遺伝子の発現プロファイルを調査したところ、鉄の吸収・利用に関与する鉄欠乏誘導性遺伝子の大多数が鉄欠乏1日目の根においてIDEF1により正の制御を受けることが明らかになった。これらのIDEF1標的遺伝子のプロモーター領域には、IDEF1結合コア配列が高い確率で存在した。以上の結果から、IDEF1 はイネの鉄欠乏の初期応答に必須であると考えられた。
収録刊行物
-
- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
-
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2009 (0), 0934-0934, 2009
日本植物生理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001205632562048
-
- NII論文ID
- 130006994317
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可