単子葉植物ウキクサを用いた植物における概日時計遺伝子機能の保存性の解析

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タイトル別名
  • Functional conservation of clock-related genes in flowering plants: overexpression and RNAi analyses of the circadian rhythm in the monocotyledon <I>Lemna gibba</I>

抄録

概日時計はバクテリアから植物、ヒトにいたるまで広く保存された生理現象である。植物ではモデル植物であるアラビドプシスを用いた分子遺伝学的解析から、多くの概日時計に関わる遺伝子が単離・解析されてきた。一方で単子葉植物であるイネなどからアラビドプシス時計遺伝子のホモログが単離されているが、それらの機能解析は報告少なく、植物間での概日時計機構の保存性についての詳細は未だわかってはいない。これまでに私たちはイボウキクサ(Lemna gibbaG3)を用いアラビドプシスの時計遺伝子であるLHY/CCA1, GI, ELF3のホモログ(LgLHYH1, LgLHYH2, LgGIH1, LgELF3H1)を単離してきた。そこでこれら時計遺伝子ホモログの過剰発現、またはRNAiコンストラクトを生物発光レポーターとともに一過的遺伝子導入法を用いウキクサに導入し、生物発光の変化を連続的にモニターすることで、それら遺伝子の機能解析を行った。その結果、ウキクサでは2種類のLHYホモログが機能的にも分化している可能性を見出すとともに、GIホモログがアラビドプシスGIよりも強く概日時計に関与していることを示唆する結果を得た。これらの結果から植物の概日時計は大枠としては植物間で保存されているが、それぞれの構成因子がもつ働きの度合いに違いがあることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633045376
  • NII論文ID
    130006995032
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0616.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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