オオガラゴ精巣微細構造(2)

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タイトル別名
  • Testicular characteristics of greater galago (<i>Otolemur crassicaudatus</i>) (2)

抄録

[目的] 霊長類における精巣の形態や繁殖システムの進化を考える上で、原猿類の研究は重要である。われわれは、オオガラゴの精巣微細構造について報告してきたが、今回はさらに詳細に観察し、その特徴を明らかにしたので報告する。<br>[方法] オオガラゴの死亡個体(5歳)から精巣を採取した。これをホルムアルデヒドとグルタールアルデヒドの混合液で固定、親水性メタクリル樹脂で包埋し、1μmで薄切後、HE染色し、光学顕微鏡で観察した。<br>[結果] 精上皮は薄く、また、精子細胞が少ない。丸い精子細胞は、少し細くなり始めると、セルトリ細胞の間を出て、ひとつのセルトリ細胞の中央部に入り込んでいく。この時期の精上皮に精母細胞が認められるものと認められないものがあるなど、部位によって細胞の組み合わせが異なっていた。また、合胞体が精細管中や精上皮内にも観察された。<br>[考察] オオガラゴの精巣では、カニクイザルに比べて精子細胞が少なく、精母細胞が認められない上皮があるなど、精子形成サイクルがきちんと回っていない上皮が多かった。また、合胞体があることを見ても、精子形成が不活発であるように思われる。これらを他の原猿類と比較し、さらに系統的な検討を進めたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680611219712
  • NII論文ID
    130006996877
  • DOI
    10.14907/primate.22.0.94.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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