タバコ (Nicotiana tabacum L.) 葉トライコームのカドミウム蓄積および排出に関与する遺伝子の探索
-
- 原田 英美子
- 滋賀県大・環境科学 江原大・山林資源 ライブニッツ植物生化学研 グルノーブル大
-
- Isaure Marie-Pierre
- グルノーブル大 ポー大
-
- 金 志娥
- 江原大・山林資源
-
- Sarret Geraldine
- グルノーブル大
-
- Meyer Andreas J.
- ハイデルベルク植物科学研 ボン大
-
- Hell Ruediger
- ハイデルベルク植物科学研
-
- Clemens Stephan
- ライブニッツ植物生化学研 バイロイト大
-
- Manceau Alain
- グルノーブル大
-
- 崔 龍義
- 江原大・山林資源
書誌事項
- タイトル別名
-
- Genes for cadmium accumulation and exudation in tobacco (Nicotiana tabacum L.) leaf trichomes
抄録
タバコ (Nicotiana tabacum L.) をカドミウム(Cd)で処理すると、Cdとカルシウム(Ca)を含んだ結晶状物質が葉のトライコーム先端に形成されることをこれまでに報告している。放射光を用いたmicro X-ray diffraction法および micro X-ray absorption near edge structure法で分析したところ、この結晶状物質に含まれるCdの化学形態は主にCd-substituted calcite あるいはvateliteであった。トライコーム特異的なESTライブラリを作成したところ、組織特異的に発現するCysteine-rich なPRタンパク質が多数同定され、これらが重金属キレーターとして機能している可能性が考えられた。また、Class 5 PRタンパク質をコードする遺伝子は、葉とトライコームいずれでもCd処理で正に誘導された。共焦点レーザー顕微鏡を用いて植物体内のグルタチオンを可視化する手法により分布を調べたところ、葉のトライコームの先端の細胞に蓄積しており、さらにグルタチオンペルオキシダーゼをコードする遺伝子の発現が高いことが判明した。これらの知見から、タバコ葉のトライコームの重金属解毒機構にイオウ代謝系が関連している可能性が示唆され、種々の環境ストレスに応答する機構を備えた器官であることが示された。
収録刊行物
-
- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
-
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2011 (0), 0437-0437, 2011
日本植物生理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680611268224
-
- NII論文ID
- 130006996950
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可