リチウムビナフトラートを触媒とするトリメトキシシリルエノールエーテルの不斉アルドール反応

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タイトル別名
  • Enantioselective Aldol Reaction of Trimethoxysilyl Enol Ethers Catalyzed by Lithium Binaphtholate

抄録

アルドール反応は最も基本的な炭素-炭素結合形成反応の一つであり,生成する2つの不斉中心の立体化学を制御するために様々な不斉触媒が開発されている.最近,塩基を触媒とする高配位ケイ素を中間体としたアルドール反応が注目されている.これらの反応は,一般に鎖状遷移状態を経るルイス酸を触媒としたトリメチルシリルエノールエーテルの不斉アルドール反応と異なり,6員環いす型遷移状態を経るため,より高度な立体制御を可能にすると考えられる.われわれは,従来アルドール反応の基質としては殆ど用いられていなかったトリメトキシシリルエノールエーテルが,キラルなリチウム塩基を触媒として進行することを見出した.−23℃下,3,3-ジブロモ-2,2-ビナフトールと2当量のブチルリチウムから調製したリチウム塩を触媒として10モル%用い,アセトフェノンから誘導したトリメトキシシリルエノールエーテルをベンズアルデヒドと反応させると,対応するアルドール付加体が高収率で得られ,その不斉収率は50% eeであった.現在,選択性の向上と反応機構の解明を検討中である.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205634760448
  • NII論文ID
    130006997193
  • DOI
    10.14895/hannou.29.0.206.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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