新世界ザルの動作解析と形態から類人猿の特徴を探ってみる―特にロコモーションに着目して―  [in Japanese]

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<p>日時:2017年7月15日(土) 13:30-16:00</p><p>場所:5階小研修室</p><br><p>クモザルは系統的に類人猿とかけ離れているものの,移動様式においては類人猿との類似性を見出すことができる。例えば,尾を補助的に用いて前肢によって枝にぶら下がる移動様式である「アームスイング」もしくは「セミブラキエーション」といったものは,「オランウータンのぶら下がり」や「テナガザルのブラキエーション」など,,一部の類人猿に恒常的な移動様式に部分的に共通するものの一つと言えよう。最近の報告では,野生クモザルが腰部を直立させ膝を完全に伸ばしたフェーズを含むような二足歩行をしている様子が報告されており,膝の伸展はヒトだけに見られる特有の位相であるがゆえ検討に値する。前肢を用いて「ぶらさがる」移動様式の類似性に関連して,クモザルと類人猿における前肢の形態学的調査を行い両者の機能的要求を示した研究や,クモザルの腰椎の一部形態が類人猿様であることを示唆した研究などが過去に散見される。また,直立二足歩行に関連して,後肢の床反力や筋電図を用いた先行研究より,クモザルとヒト,チンパンジーとの類似性が明らかとなっている。しかしながら,腰部前弯と膝の完全な伸展位相を示唆した直立二足歩行をする野生クモザルの移動様式における新知見を加味すると,クモザルを対象にした研究のポテンシャルの高さ,つまり,クモザル研究によって別の角度からみた類人猿の新たな側面を見出すことができるかもしれない。広い視野から議論を可能にするため,クモザルを含む複数種の新世界ザル研究を紹介し,動作観察や様々な形態学的な所見から,類人猿の移動様式に関する機能形態学的な特徴やロコモーション特異性についてなにかヒントが得られないか議論したい。発表予定の研究手法は,動作解析,筋線維タイプ構成,生理学的筋横断面積,マクロ神経解析などである。</p><br><p>プログラム</p><p>1.マクロ神経解析に基づく新世界ザル上肢―体幹移行領域の形態学的特徴</p><p>緑川沙織(埼玉医科大・保健医療)</p><p>2.コモンマ-モセット(Callithrix jacchus)における肩甲挙筋,,菱形筋,,腹側鋸筋の支配神経について</p><p>江村健児(姫路獨協大・医療保健)</p><p>3.生理学的筋横断面積からみたクモザルと類人猿の後肢特徴</p><p>近藤 健・菊池泰弘(佐賀大・医)</p><p>4.アカテタマリンの胸腰部固有背筋の筋束構成と筋構築</p><p>小島龍平(埼玉医科大・保健医療)</p><p>5.新旧世界に於けるぶら下がり移動の平行進化 - 比較ブラキエーション学の視点から</p><p>藤野 健(東京都老人研)</p><br><p>責任者:菊池泰弘,藤野健</p><p>連絡先:kikuchiy@cc.saga-u.ac.jp</p>

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  • Primate Research Supplement

    Primate Research Supplement 33(0), 15-15, 2017

    Primate Society of Japan

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