霊長類の血液精巣関門 ― claudinを指標にして ―

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タイトル別名
  • The blood-testis-barrier of primates -Claudin as an indicater of tight junction-

抄録

精巣のセルトリ細胞は精子形成を支持するだけでなく血液精巣関門の構成要素として重要な細胞である。セルトリ細胞は互いに隣接する細胞膜が細胞間接着装置複合体で結合している。その中で特に密着結合は精上皮の基底面近くに発達し、筋様細胞、基底膜とともに血液精巣関門を構成している。密着結合を境にして基底側と管腔側とに分けられ、精母細胞や精子細胞など管腔側に移動した細胞は体内からの免疫学的な攻撃から守られる形となる。私達はこれまで類人猿をはじめ、さまざまな動物の精巣を形態学的に比較してきたが、その様相は多様である。今回はセルトリ細胞の密着結合とその関連タンパク質であるclaudinに着目した。claudinは密着結合を形成する内在性の膜貫通型タンパク質である。現在ヒトやマウスで24種類報告されており、臓器ごとに発現されるclaudinはさまざまである。私達はラットやアカゲザルなどの精巣を用いて、セルトリ細胞の密着結合に関連するclaudin-11さらにclaudin-1、claudin-5などを中心にclaudinを免疫組織化学的に染色し、光学顕微鏡下で観察、比較した。ある種のclaudinはアクロゾームの先端に陽性を示すなど、セルトリ細胞の密着結合に関する部位だけではなく、精周期と関連したところでも興味深い結果が得られた。また精子形成とclaudinの陽性部位(密着結合)との関連についても報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205636356480
  • NII論文ID
    130006999052
  • DOI
    10.14907/primate.23.0.98.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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