Proteomic Identifications of p38 MAP kinase substrates using in vitro phosphorylation

DOI

Bibliographic Information

Other Title
  • In vitroリン酸化法によるp38 MAPキナーゼ基質の網羅的同定

Abstract

タンパク質のリン酸化は、細胞の増殖、分化、遺伝子発現など様々な生命現象を制御している。また、その異常は多様な疾患の発症原因となることも明らかにされている。キナーゼの生理的機能を解明するためには、その基質を網羅的に同定することが重要である。 私たちは、リン酸化タンパク質精製と2D-DIGE法の組み合わせにより特定のキナーゼの基質を網羅的に同定する手法を確立してきた。しかし、リン酸化タンパク質は定常状態の細胞内にも多数存在し、試料間の相違をみる2D-DIGE法において多数のスポットを与えることが問題であった。今回、細胞溶解液を脱リン酸化処理することにより、バックグラウンドとなるリン酸化タンパク質数を減少させ、その後特定のキナーゼでin vitroリン酸化反応を行い、2D-DIGE法とLC-MS/MS法によりキナーゼの基質を網羅的に同定する新たな実験系を構築したので報告する。  キナーゼとしては、既知の基質が多く、特異的阻害剤があり、活性化機構の明らかになっているp38 MAPキナーゼをモデルキナーゼとして使った。その結果、二次元ゲル泳動上でリン酸化反応した試料としていない試料で共通に見られるリン酸化タンパク質スポット数は減少し、リン酸化反応を行った試料のみに認められるスポットが従来法の約10倍確認できるようになった。これらのスポットのうち、55スポットから27種類のタンパク質を質量分析計で同定した。この中には既知のp38 MAPキナーゼ基質が2種類含まれていた。さらに網羅性を高めるために、リン酸化後の試料をプロテアーゼ消化し、リン酸化ペプチドを単離してLC-MS/MSに供したところ、60種類のタンパク質がp38 MAPキナーゼ基質候補として同定された。このうち既知のp38 MAPキナーゼカスケードの基質は4種類あった。これらのことは、in vitro脱リン酸化/リン酸化方法が、キナーゼ基質の探索に有効であることを示している。

Journal

Keywords

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205639283456
  • NII Article ID
    130006999187
  • DOI
    10.14889/jhupo.2009.0.47.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top