放射線耐性細菌Rubrobacter radiotoleransスーパーオキサイドディスムターゼの遺伝子構造と遺伝子産物の機能

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  • Structure of the superoxide dismutase gene and radio-protective function of its products of Rubrobacter radiotolerans, a non-sporulating radio-resistant bacterium

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抄録

【目的】Rubrobacter radiotoleransはガンマ線の半致死線量が16,000 Gyに達する非胞子性放射線耐性細菌であるが、その放射線耐性機構については未解明の部分が多く残されている。本研究では、R. radiotoleransのスーパーオキサイドディスムターゼ(Rr-SOD)の遺伝子構造とその遺伝子産物の機能を解析し、その放射線耐性機構を明らかにすることを目的として検討を行った。 【材料と方法】精製タンパク質の部分アミノ酸配列と保存領域の配列から、R. radiotolerans染色体DNAを基質としたPCRでRr-SOD遺伝子の部分配列を得た後、5’-RACE、3’-RACEにより、Rr-SOD遺伝子全長配列とその周辺領域の遺伝子構造解析を行った。得られたRr-SOD遺伝子は大腸菌発現ベクターにて大腸菌sod欠損株に導入し、その相補性による機能解析を行った。 【結果】Rr-SOD遺伝子は618塩基長で、206アミノ酸からなるタンパク質を産生する。そのアミノ酸配列の相同性解析により、Rr-SODはMn-SOD分子種であると推定された。全ゲノム配列が知られているRubrobacter xylanophilusの210アミノ酸からなるMn-SOD遺伝子産物とは相同性68%、類似性78%であった。Rr-SOD遺伝子の上流にはR. xylanophilusゲノムと同様にputaitive PAS/PAC sensor protein遺伝子が存在したが、その下流の遺伝子構造はR. xylanophilusとは異なっていた。一方、ベクター導入したRr-SOD遺伝子は大腸菌sod欠損株のガンマ線およびメチルビオロゲン感受性を相補した。この結果は、Rr-SODがR. radiotoleransの放射線耐性機構に関与していることを示唆している。

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