DNA鎖間架橋修復におけるDNA二本鎖切断の役割
書誌事項
- タイトル別名
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- The role of DSB formation during interstrand cross-link repair
抄録
DNA鎖間架橋 (Interstrand cross-links : ICLs)はDNA二本鎖がDNA架橋剤によって架橋された構造のDNA損傷であり,転写,複製,組み換えを阻害する。ICLによって複製フォークの進行が阻害されるとMus81,XPF等のエンドヌクレアーゼによってICL部位が切断され,DNA二重鎖切断(double strand break : DSB)が生じることが報告されているがICL修復の詳細は不明である。我々は真核生物のICL修復機構の解明を目的にICLの高感度定量法(Psoralen-PEO-biotin excision assay: PPBE法)を開発した。PPBE法はDNAに結合したDNA架橋剤,ソラレンを直接検出することが可能であることからICLの除去反応を測定するのに適した手法である。PPBE法を用いた解析から正常細胞は細胞当たり2500個のICLを24, 48時間後でそれぞれ77, 93%除去することが明らかになった。この除去反応はDNA複製の阻害によって低下することからICL修復はDNA複製時に行われることが示された。また,DNA架橋剤感受性を示すナイミーヘン症候群細胞,色素性乾皮症F相補性群細胞,ファンコニ貧血細胞であるFA-G,-A相補性群細胞では正常細胞と比べICL除去速度に有意な低下が見られた。一方,FA-D2相補性群細胞ではICL除去速度は正常細胞とほぼ同じであったことからFA-D2タンパク質はICL除去には関与しないことが示された。相同組換え(HR)関連遺伝子欠損細胞はDNA架橋剤感受性を示すがICL除去速度は正常であったことからHRはICL除去後の修復に関わることが示唆された。DNA架橋剤感受性細胞は多く存在するが,ICL部位の除去の異常と,ICL除去によって生じたDSBの修復の異常に分類できることが本研究で明らかになった。
収録刊行物
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- 日本放射線影響学会大会講演要旨集
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日本放射線影響学会大会講演要旨集 2007 (0), 41-41, 2007
一般社団法人 日本放射線影響学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680618116992
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- NII論文ID
- 130007000871
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可