De novo safety evaluation of Multi-Walled Carbon Nanotubes using proteomic approach

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  • プロテオミクス解析によるカーボンナノチューブの新規安全性評価

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【目的】多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)は物性がユニークであることから利用が急速に広がっている。その一方で,MWCNTs は形状がアスベストに類似していることやナノサイズであることから,安全性に関して懸念が持たれているが,未だに結論が得られて いない。その原因の一つとして,合成過程で使われる触媒(主に鉄イオン)等の不純物が生理活性を示していることが考えられる。そこ で加熱精製処理を行い,異なる不純物を含むMWCNTsを用いて,細胞のタンパク質変化をプロテオミクス解析によって評価した。【方 法】U937ヒト単芽球性白血病細胞に各100μg/mlのMWCNTsを4日間暴露し,細胞増殖性や細胞毒性を調べた。4日目の細胞を回収し, その溶解液を2次元電気泳動のサンプルとした。一次元目としてIPGphor3を使って等電点電気泳動した。二次元目にSDS-PAGEを行っ た。泳動後,ゲルはCBBで染色し,PDQuest 2D gel analysisソフトウエアで画像解析した。有意差があり,かつ2倍以上発現量変化 したタンパク質はトリプシン処理し,ペプチドフィンガープリント法でMALDI-TOF-MSを用いてタンパク質を同定した。【結果】いず れのMWCNTsを暴露したU937細胞においても細胞増殖抑制や細胞毒性は認められなかった。この時の細胞をプロテオミクス解析した ところ,変化したタンパク質スポットは鉄イオンが多く含まれているMWCNTsの方が多く,共通するスポット7個を含めて全部で50 スポットであった。このうちの45スポットのタンパク質が同定された。【考察】プロテオミクス解析は,既存の細胞毒性試験では検出で きないMWCNTs濃度で細胞内タンパク質の発現量をすることができた。さらに,不純物(鉄イオン等)の含有量によって反応するタン パク質が異なることも明らかとなった。以上の結果は,プロテオミクス解析の結果をデータベース化することで,評価精度の高い新規 な安全性評価だけでなく,不純物の予測や品質管理が可能となることを示唆している。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205659374592
  • NII Article ID
    130007004153
  • DOI
    10.14869/toxp.37.0.132.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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