<I>Hebeloma</I>属,<I> Porphyrospora</I>のアンモニア菌の交配試験に基づく種の同定

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タイトル別名
  • Species identification of ammonia fungi, <I>Hebeloma</I> spp. in subgenus <I>Porphyrospora</I>, based on mating tests

抄録

Hebeloma属, Porphyrospora亜属のアンモニア菌の種同定を行なうため, 交配試験を行なった. 尿素区に発生した子実体の形質に基づき, H. vinosophyllum (日本産), H. aminophilum (オーストラリア産) ならびにHebeloma sp. (ニュージーランド産) と同定された3菌種を供試した. まず, H. vinosophyllumの培養子実体から単胞子分離によって単核菌糸を得た. 同単核菌糸間の交配試験を行い, H. vinosophyllumは4極性の交配型をもつことを確認した. H. aminophilumHebeloma sp.については, 分離菌株が子実体形成能を消失しているため, スライド培養した複核菌糸先端部の検鏡下で切離あるいは振とう培養によって遊離した菌糸断片の選別によって, それぞれ単核菌糸を得た. H. vinosophyllumの単核菌糸をテスター株として, H. aminophilumHebeloma sp.の複核菌糸をダイ・モン交配したところ, いずれの組み合わせでも交雑は認められなかった. 次に, H. vinosophyllum, H. aminophilum, Hebeloma sp.の単核菌株を用いてモン・モン交配したところ, H. aminophilumHebeloma sp.の組み合わせでは交雑が認められたが, H. vinosophyllumH. aminophilum, H. vinosophyllumHebeloma. sp.の組み合わせでは交雑が認められなかった. 以上の結果は, Porphyrosporaのアンモニア菌に関する分子系統解析の結果(Deng et al. 2006) を支持するものであり, ニュージーランド産Hebeloma sp.はH. aminophilumと生殖レベルで同一種と取り扱うべきこと, 日本産H. vinosophyllumH. aminophilumはそれぞれ独立種として取り扱うべきことが明らかになった. * 日本菌学会50周年大会講演要旨集, p. 50.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205662583296
  • NII論文ID
    130007005148
  • DOI
    10.11556/msj7abst.51.0.42.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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