<I>Phytoceratiomyxa osmundae</I> Sawada (1929) (Myxomycetes) の正体と <I>Taphrina osmundae</I> T. Nishida (1911) のネオタイプ指定

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タイトル別名
  • Identity of <I>Phytoceratiomyxa osmundae Sawada (1929) (Myxomycetes), with the neotypication of <I>Taphrina osmundae</I> T. Nishida (1911)

抄録

澤田兼吉 は1929 年, 1928 年 8 月台湾台中州尾上（約 2,600 m）で採取したホソバゼンマイ (Osmunda japonica var. sublancea) の葉・葉柄に寄生する菌類を変形菌類の新属新種Phytoceratiomyxa osmundae Sawada (台湾博物学会会報 19 : 31. 1929) として記載した. 原記載文ならびに再記載文（台湾産菌類調査報告, 第五編, p. 11, 1931）とその図解（外生胞子を付けた胞子嚢が描かれている）を見ると, 明らかに H. Nishida et al. (Can. J. Bot. 73 (Suppl. 1): S660-S666. 1995) によって明らかにされた Mixia osmundae (= Taphrina osmundae) の特徴によく似ており, 澤田の誤同定の可能性が強く示唆された. 最新のDictionary of the Fungi, 9th ed. (2001) によると, Phytoceratiomyxa は「疑問名 ?Myxomycetes」と表記されている. 昨年、件の新属新種のタイプ標本が国立科学博物館菌類標本庫に収蔵されていることが判明し, このたび当該標本を詳細に調べることができた. その結果, Phytoceratiomyxa osmundaeの形態学的特徴は H. Nishida et al.（前述）定義のMixia osmundae (T. Nishida) Kramerと合致した. 従って, P. osmundae Sawada はT. osmundae T. Nishida、すなわちMixia osmundae（T. Nishida）Kramer の分類学的異名となる. 両属の命名法上の取り扱いについては別途正式に提案する. また, Mixia osmundae のバシオニムTaphrina osmundae T. Nishida の原記載文の根拠となった２標本は消失したものと判断し, 上記 H. Nishida et al.（前出）に記載, 引用された１標本（IAM-F 0148）を Taphrina osmundae T. Nishida　のネオタイプに指定することとする. なお, 新属新種 Phytoceratiomyxa osmundaeと新種 T. osmundae の原記載文はそれぞれ日本語と英語で書かれラテン語記載を欠くが, 発表年 (1911年)が1935年1月1日以前なので国際植物命名規約第36条1に抵触しないことになる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205662595328
  • NII論文ID
    130007005152
  • DOI
    10.11556/msj7abst.51.0.54.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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