点字ブロックの発見のしやすさに及ぼす靴底の厚さと探索方略の影響

DOI

Abstract

<BR>目的:<BR>視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)は2001年に形状がJIS(T9251)化されたが、その発見のしやすさは、個々人の足裏の触覚特性、靴や靴下、踏む方等によって影響を受けることが考えられる。そこで、本研究では、これらの要因が、点字ブロックの発見のしやすさにどのような影響を及ぼすかを検討した。<BR>方法:<BR>1)ソールの厚さと圧力分布の関係に関する実験;靴底の厚さと重量を系統的に変化させ、足裏に伝わる圧力分布をタクタイルセンサF-スキャンモバイル(ニッタ)を用い計測した。2)実際の歩行時に足裏にかかる圧力分布の変化に関する計測実験;人間が実際に点字ブロックを踏んだときに、足裏の圧力がどのように変化するかを体重の異なる歩行者12名を対象にタクタイルセンサで実測した。3)靴底の厚さと発見のしやすさの関係に関する実験;日常的に点字ブロックを利用している視覚障害者を対象に、ソールの厚さを変化させたときに点字ブロックの形状認知に影響があるかどうかを心理実験により確認した。<BR>結果・考察:<BR>1)重量の違いによる圧力分布実験から、重量に応じて荷重値が増えていること、ソールの枚数が増える程、荷重値が減少すること、ソールの枚数が増えると重量の効果が減少することがわかった。2)歩行時の圧力分布実験から、点字ブロックの位置に相当する圧力分布が確認できること、点字ブロックの形状の違いに相当する圧力分布が確認できること、靴裏と比較すると足裏では圧力が分散し形状が確認しにくくなることがわかった。しかし、体重やソールの枚数と荷重値の間に一定の関係はみられなかった。したがって、体重ではなく、歩行者の歩き方に依存している可能性が大きいことが予想できた。つまり、靴底が厚くなると踏み方を変化させることで、点字ブロックの発見や弁別をしやすくしていることが予想される。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205667086720
  • NII Article ID
    130007006134
  • DOI
    10.14908/jslrr5.6.0.68.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top