Hierarchy of major cities in Madhya Pradesh State in the central India from the point of view of distribution systems of nation-wide companies in detergent and toiletries industries

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  • インド,マディヤ・プラデーシュ州における大手洗剤・石鹸メーカーの販売網からみた都市の階層性

Abstract

<BR> インドでは,1991年以降の経済自由化のなかで多くの産業分野で生産の集中が進み,外資系企業を含めた大企業間では全国規模の販売網を形成して,シェアを競う状況が出現している.日本の経験からすると,こうした全国規模の販売網の形成が大企業の間で一般化するとき,都市の階層分化が進むと考えられる.すなわち,販売活動の拠点に選定される都市はその種の機能の集積により中心性を高め,主要な販売拠点に選定されない都市は中心性を相対的に低下させる.<BR>  そこで,卓越した中心都市を欠く州において,どのような性格をもった都市が州全域の拠点都市に選定される傾向にあるかを見るために,インド中央部に位置するマディヤ・プラデーシュ州(MP)を調査地域に選び,大手洗剤・石鹸メーカーの販売網を調査した.MP州では,州都ボーパルと西部の中心都市インドールが類似規模になる.したがって,どちらの都市が近年の経済発展のなかで州レベルの中心都市としての性格を獲得する傾向にあるかを確かめることは興味深い課題である.<BR>  まず当該産業の大手メーカー7社の本社に対して販売機関の配置状況に関するアンケート票を送付した.インド系企業2社から回答を得た.併せて,2007年3月にMPのインドールおよびボーパルに所在する上記2社の販売担当者,配送を請け負う現地運輸会社,特約店,小売店にて,取引および販売活動について聞取り調査した. 以下,主な調査結果を列記する.<BR> 1)当該産業の大手企業も,販売網の形成に当たっては,国土を階層的に区分して,販売責任を割り当てるテリトリー制を採用している.<BR> 2)全国は北部,西部,東部,南部の4大地域に区分され,それぞれの中心都市に支店が配置されている.<BR> 3)MP州はムンバイに配置された支店の管轄に属する.<BR> 4)州単位に地域販売管理者(ASM)が配置されるが,MP州の場合,州に1人のASMが配置される場合には,インドールもしくはボーパル,2人のAMSが配置される場合にはインドールとジャバルプルが選ばれる傾向にある.<BR> 5)AMSの下に,インドール,ボーパル,ジャバルプル,グワリオールなどの州内各地域の主要都市にメーカーの営業員(FO)が配置されている.<BR> 6)物流においても,Carrying & Fowarding Agent(CFA)と呼ばれる物流業者が州単位に配置されている.<BR> 7)MPの州都であるボーパルは人口規模,州内の地理的位置から判断するとASMの配置およびCFAの立地に適していると考えられるが,それらの人員および機関は現実にはインドールを指向する傾向にある.その理由として,インドールは北のデリー,南のムンバイを結ぶ国道3号線上に立地しているのに対して,ボーパルは国道3号から外れた位置にある.したがって,インドの工業製品の多くは国道3号を経由してMPに輸送されることを考慮するとき,インドールはMP州の西部に偏して立地しているが,州のGatewayとして機能することで,拠点性を高めていると推察される.<BR> <BR> 参考文献<BR> 日野正輝(2003):インドにおける大手消費財メーカーの販売網の空間形態.地誌研年報,13,1-25.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680668436992
  • NII Article ID
    130007013860
  • DOI
    10.14866/ajg.2007f.0.65.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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