地方都市河川の流下にともなう窒素除去機能の解明 Estimation of nitrogen elimination in the urbanizing river

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Abstract

1. はじめに 河川の流下にともなう窒素の自然浄化機能は、従来から指摘されてきている(Burt et al., 1993; 宗宮,1993など)。しかし、河川中での地下水との水の出入りや、大気や植物などとの物質の出入り、河川中での物質輸送量の推定法に含まれる誤差など、不確定要素が多く残されていたため、必ずしも十分に評価されてきたとはいえない。本発表では、窒素汚染河川において、詳細に物質輸送量を見積もり、その間における浄化の可能性を検討することを目的とした。2. 研究地域及び方法本研究では、広島県のほぼ中央部を流れる黒瀬川を対象とした。河川延長50.6km、流域面積238.8km2の二級河川である。本河川は、東広島市の並滝寺池を源とし、西条盆地、黒瀬盆地を南流し、呉市広で瀬戸内海に注いでいる。地質は主に広島花崗岩類などからなる。観測地点は源流より約20km流下した付近である。図1中のBでは、東広島市の下水処理水が流入している。特に、窒素処理は十分ではないため、そのアンモニア濃度は高く、これより下流側で浄化量を定量するには適した場所である。そこで、A_から_Eにおいて、流量及び採水を行った。C地点付近では川岸内の地下水の採水を行い、E地点付近では、河岸の樹木周辺で採水を行った。なお、D地点では、自動計測及び採水を行い、A地点においても計測を開始した。計測には水位計をもちいて自動観測を行い、同時に自動採水機をもちいて河川水を採取した。採水したサンプルは実験室に持ち帰り、イオンクロマトグラフィーをもちいてNO2_-_-N、NO3_-_-Nの濃度を、全有機体炭素計を用いてDN濃度を測定した。またインドフェノール法をもちいてNH4+-N濃度を測定した。3. 結果と考察表1 流下にともなう濃度及びフラックス変化  Runoff DN DOC Q-N Q-DOC  (m3 s-1) (mg l-1) (mg l-1) (g s-1) (g s-1)A 0.398 5.04 3.43 2.02 1.37B 0.201 21.92 7.96 4.41 1.6A+B 0.599 10.78 4.96 6.43 2.97C 0.596 11.16 5.08 6.65 3.03D 0.617 8.31 4.31 5.13 2.66表1は、A地点からD地点までのフラックスの変化である。D地点に至るまでのわずか500mの間で、窒素フラックスは20%も減じている。DOCにおいても10%みられる。この間には、堆積物中との水の交換が行われており、そのことが浄化に寄与しているものと考えられる。このほか、堆積物中の地下水の濃度、樹木の影響、土砂との相互作用などを検討したので、報告する。

Journal

  • Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers

    Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers 2006s(0), 247-247, 2006

    The Association of Japanese Geographers

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