基地の街コザにおける場所の歴史的表象

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書誌事項

タイトル別名
  • The Historical Representation of Place in the Base Town Koza
  • The 'Reassessment' of U.S. Military Presence as Developmental Resources
  • 開発資源としての米軍駐留の「再評価」

抄録

戦後の沖縄における米軍基地問題は、基地を抱える市町村にとっては、重要かつ長期的な政策課題である。しかし、復帰後、基地所在市町村の基地への経済的依存は低下し、1996年のSACO最終報告によって、在沖米軍基地の実質的返還も実現しつつある。この新局面において、基地の跡地利用や周辺地域の(再)開発をどのように実施するかという問題が、関係自治体の重要な行政課題として浮上している。拙稿(山崎2008)はAgnew (1987)による政治地理学的な場所論を援用し、複数の基地所在市町村を比較することによって、「基地の街」開発の鍵となる要素を明らかにした。それらは、1.開発制約となる基地の返還を求める自治体・住民の意思統一、2.市町村の立地条件に適応した開発戦略・手法の選択、3.市町村の独自性や固有性を開発に反映させ、地元住民の開発への理解や積極的取り組みを促すための場所性の動員、である。本報告は拙稿を踏まえ、そこでは十分とらえきれなかった沖縄市コザ地区における場所性の動員、つまり場所の歴史的表象に関わる沖縄市の実践を取り上げ、場所性が基地周辺地区の再開発戦略といかに結びつきうるかについて、発表者自らの現地での研究実践と関わらせながら検討したい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670142592
  • NII論文ID
    130007016335
  • DOI
    10.14866/ajg.2009f.0.80.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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