青森県における方言の地域差と世代差

書誌事項

タイトル別名
  • Regional and Generational Differences in Dialect in Aomori Prefecture
  • 津軽・南部地方境界地域の調査から
  • Observed from the Research in a Border Area between Tsugaru and Nambu Regions

抄録

本発表は、津軽・南部地方境界地域での調査をもとに、青森県における方言の地域差の中でも、特に津軽・南部方言区画の境界について再検討し、さらに方言使用・認知および方言意識の世代差についても考察する。津軽方言と南部方言の区画界については、津軽藩と南部藩の境に一致することが従来の研究で指摘されている。過去の調査から20年以上たった現在でも、同じことが再確認できた。ただし、一部の語に関しては、津軽方言が南部地方に浸透しているようにも見える。また、野辺地駅周辺を中心として、多少の漸移地域が存在すると考えられる。方言使用・認知の世代差については、若い世代ほど方言が使われなくなり、逆に方言を知らない人の割合が高くなることが明らかである。ただし、言葉によって、使用・認知率の低下には差があり、若い世代でも比較的よく使われている方言もある。方言意識の世代差については、方言と共通語との使い分けの点から見ると、70代以上と戦後生まれの60代以下との間で大きな違いがあり、中年以下の世代では約4分の3の人が、場面によって方言と共通語を使い分けていることが判明した。<br><br> なお、本研究は、泉の駒澤大学文学部地理学科地域文化研究専攻2012年度卒業論文に、小田が大幅な修正を加えたもので、詳細は泉・小田(2016)として印刷予定である。<br><br>文献<br><br>泉ゆうき・小田匡保 2016. 青森県における方言の地域差と世代差─津軽・南部地方境界地域の調査から―. 地域学研究29 (予定) 。

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