芦生モンドリ谷16ha調査区と長期大面積研究 Long Term and Large Scale Studies at the MONDORI-Dani 16ha Forest Plot in Ashu, Kyoto

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Abstract

はじめに「大面積長期継続研究」の必要性がさけばれ、多くの大面積長期研究用のプロットが設定されている。当初から長期の継続研究には、労力と経費と時間を要し、論文を産みだしにくいという背景があり、そのコストを誰が負担するかの問題には明確な答えを得るに至っていない。大学演習林はこのような問題の一つの受け皿に成り得る。大学演習林では業務としてデータ収集を長期間行う事が出来る反面、担当者の交代により行うべき作業やその目的が曖昧になりやすいという問題もある。モンドリ谷調査グループは過去2回のモンドリ谷調査に関わった者により第3回の定期センサスを行うために結成された研究グループであり、大学演習林が業務調査から外した長期研究サイトの今後の受け皿を策定する事も目的としている。モンドリ谷調査区の設定から3回目のセンサスに至る経緯と今後の展望を大面積長期継続調査の1事例として報告する。調査地概要天然林の動態を集水域単位で長期間調査する目的で、1992年に京都大学芦生演習林(当時)のモンドリ谷集水域全域16ha に調査区が設定された。調査区は乾性の尾根から、流路のある谷まで様々な地形を含む256個の25m方形区に区分され(図)、直径10cm以上の全樹木の胸高直径を2002年度まで3回を5年間隔で測定している。集水域全体でみられた10cm以上の樹木は51種、8241本で、スギが最も優占し、ブナ、ミズナラ、ミズメ(山中ら1993)が多い。京都府の北東部に位置し、16haの調査区は温帯最大規模の天然林調査区で、特に西日本の1000m以下の低山帯は古くからの人間活動により影響を受けやすく、まとまった森林は皆無なので貴重である。現在行われている研究 天然林の動態調査の他、スギの大部分が被害を受けるツキノワグマによる剥皮被害調査や、トチノキ・サワグルミからなる渓畔林の研究などが継続調査中である。日本海側を席巻しつつあるナラ枯れはまさにこれからこの調査区に侵入しつつあり、今後の調査に期待と不安が交じる。当初集水域出口に量水堰を設置し水文分野の研究も併せて行う計画であったが、地形の制約で実施に至っていない。モンドリ谷を含む上谷の水量は量水堰により計量されている。問題点 集水域単位の研究を目指してデザインされたので矩形が複雑で解析しにくい。また25m方形区は大きすぎ、再測定の際に目的の樹木を見つけだしにくい。160人日に及ぶもの労力の確保とその測定精度の維持が最大の問題である。大学演習林の研究は形は機関研究であるが、実態は担当者の個人による共同研究であることが多いため、昨今の流動的な社会の影響によりますます長期継続研究は成りたちがたくなってきている。大面積長期継続調査による解析と展望 例えばDCAなどの植生解析の結果、従来言われていたような乾湿に沿って種が交代することがあらためてわかった。人間の判断する地形は絶対的な標高などに影響されやすく、上流にある谷部を下流の谷部より乾性に理解してしまうが、実際にはサブプロットスケールの微地形によって植生交代を検出できる。また、同じような地形でありながら、比較的広範囲に異なる植生があることは、更新過程の違いを示唆し、その違いが空間的スケールとして理解できる。これらは大面積調査ならではのメリットである。さらに長期継続のメリットとしては加入・成長・死亡のペースが樹種、サイズによって規定できる。そのような結果に成長錘などの一断面の調査を組み合わせれば多くの発見を産みだすと期待される。

Long Term and Large Scale Studies at the MONDORI-Dani 16ha Forest Plot in Ashu, Kyoto. Long term and Large scale research is difficult to continue for long term, because the members will easily change in short term and long term foundations is rare. University training forest can be suitable to carry out long term and large scale research. We want to summarize how could be carried out establishment and 3 times censuses of this study plot. Another purpose is how to continue this study with no official support from University forest which reduced their research because of right sizing. Research site: The MONDORI-Dani plot was established in Ashu research forest of FSERC, Kyoto Univ. in 1992, to investigate long term dynamics of cool temperate climax forest. Three times censuses have been done every 5 years, All trees of upper 10cm by DBH were measured with diameter. At the time the status of trees were checked and remarked. All area of the MONDORI-Dani catchment is covered by plot area, which totally is 16ha. Plot was divided to 256 sub quadrates, each size is 25m*25m. The dominant species were Cryptomeria japonica, Fagus crenata, Querqus crispula, Betula grossa.

Journal

  • The Japanese Forestry Society Congress Database

    The Japanese Forestry Society Congress Database 115(0), C18-C18, 2004

    The Japanese Forestry Society

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