結実がブナの木質器官への炭素配分動態に及ぼす影響-安定性同位体アプローチによる解析-  [in Japanese] Reproduction-related variation in carbon allocation to woody tissues in <i>Fagus crenata</i> using a natural <sup>13</sup>C approach  [in Japanese]

Access this Article

Author(s)

Abstract

<p>樹木の結実量は、様々な要因で大きく年変動する。この結実の豊凶現象(マスティング)については、そのメカニズムの解明に踏み込んだ研究は限られていた。本研究では、炭素資源を従来の年貯蔵量の変化(資源収支モデル)から動的な需給バランスとして捉えて、種子や枝・幹など各器官の成長パターンを詳細に解明するとともに、資源を巡る各器官の競争関係および資源の需給関係を明らかにすることを目的とした。新潟県苗場山90年生ブナ林において結実と非結実個体を対象に、定期的に葉や枝、種子などを採取し、それらの安定炭素同位体比を比較し、いつどのような炭水化物が各器官の成長に配分されているのか調べた。その結果、新しい枝の成長には、結実の有無とは関係なく、その年に光合成で作られた新しい炭水化物が主に利用されていた。しかし、結実した個体では、種子の成熟にも多くの新しい炭水化物が必要になるため、枝のサイズが小さくなり、また樹体内に貯蔵されていた古い炭水化物も種子の成長へ配分するなど、利用する炭水化物の種類を変化させることで、種子生産に伴う炭素資源の制約に対して巧妙にやりくりしていることがわかった。</p>

<p>[in Japanese]</p>

Journal

  • The Japanese Forest Society Congress

    The Japanese Forest Society Congress 128(0), 95, 2017

    THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY

Codes

Page Top