津波被害後の海岸クロマツ林における菌根相

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タイトル別名
  • Mycorrhizal fauna in Tsunami-damaged coastal pine forests

抄録

<p> 東日本大震災では広範囲の海岸クロマツ林が津波被害を受けた。クロマツは菌根性樹種であり、地下部における生物的及び非生物的撹乱は次世代更新に影響を及ぼす可能性がある。本研究では津波被害林分における土壌及び菌根相調査を行い、基礎的知見を収集した。 土壌調査は2012年1月に行った。青森県八戸市から宮城県仙台市までの海岸林8カ所で土壌を採取し、土壌汚染対策法に基づくICP-AES分析(ICP発光分光分析法)に供した。その結果、pHは表層でやや高い傾向があったが、いずれの調査地においても環境基準値を超える重金属汚染は認められなかった。 菌根相については、宮城県の海岸林2カ所において2012年及び2013年にクロマツ成木根圏試料を採取し、DNAベースの菌根菌群集解析を行った。震災1年後の2012年にはWilcoxina属菌を優占種とした撹乱跡地に特徴的な外生菌根群集が検出されたが、2013年にはClavulina属菌、Geopora属菌およびTuber属菌など他の菌の定着に伴いWilcoxina属菌の占有率は低くなった。また、日本の海岸林における優占菌根菌種として知られるCenococcum geophilumは、本調査地ではほとんど検出されなかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686859776
  • NII論文ID
    130007021535
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_507
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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