嚥下機能と、肺炎の死亡率との関係
書誌事項
- タイトル別名
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- The association between dyaphagia and mortality rate from pneumonia
抄録
平成10年福岡県80歳高齢者を対象に口腔と全身状況の調査を施行した。現在歯数、嚥下評価(反復唾液嚥下テスト、Repetitive saliva swallowing test、RSTT)を含んでいた。RSSTは、30秒間に何回、唾液の飲み込みができるかの検査で、簡単、安全な検査である。3回以上が正常で、2回以下の場合に嚥下障害ありと判定する。また、喫煙、歯科受診・医科受診状況を調査した。平成10年に受診した827名のうち、RSSTを施行した822人を追跡対象とし、4年間の予後調査をおこなった。肺炎の死亡に焦点をしぼり、嚥下機能と、肺炎での死亡との関係を検討した。4年間の追跡期間中に139名が死亡した。肺炎(間質性肺炎を除く)による死亡は36名であった。Kaplan-Meier法による生存曲線で、嚥下障害あり群では、なし群に比べ有意に肺炎死亡率が高かった(p=0.01)。比例ハザード法を用い、変数は、嚥下障害、性別、喫煙、定期的歯科受診、定期的医科受診として解析した。ハザード比は相対的な死亡確率を示す。嚥下障害ありは、肺炎死亡について有意な変数となった(ハザード比2.3、p=0.03)。嚥下障害がある群では有意に肺炎死亡率が高く、RSSTの有用性を疫学的に証明した。
収録刊行物
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- 九州歯科学会総会抄録プログラム
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九州歯科学会総会抄録プログラム kds65 (0), 45-45, 2005
九州歯科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680689981312
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- NII論文ID
- 130007021991
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可