高齢者における茎状突起石灰化の臨床的意義について

DOI
  • 岡部 幸子
    九州歯科大学口腔診断学講座画像診断学分野
  • 森本 泰宏
    九州歯科大学口腔診断学講座画像診断学分野
  • 田中 達朗
    九州歯科大学口腔診断学講座画像診断学分野
  • 安細 敏弘
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野
  • 高田 豊
    九州歯科大学健康増進学講座総合内科学分野
  • 竹原 直道
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野
  • 大庭 健
    九州歯科大学口腔診断学講座画像診断学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical significance and variation of the advanced calcified stylohyoid complex detected among 80-year-old subjects

抄録

高齢者のパノラマX線写真上で検出された茎状突起の長さ及び形状の臨床的意義を検討する。8020データバンク構築の疫学調査で集められた659名の80歳のパノラマX線写真を対象に茎状突起の長さの計測及び形状のパターン分類を行った。被検者の全身状態に関する各種データ(骨密度、血圧、心電図の異常の存在、心拍数、血清カルシウム値及び身体的スタミナ)に関して、茎状突起の長さとの間で関連性の有無を検討した。80歳における茎状突起の長さはパノラマX線写真上0.0 mm から153.0 mmで左右には有意差はなく、男女間では有意差を示した。形状のパターンは、MacDonald-Jankowskiの分類中、パターンEに属するものが、次いでパターンDに属するものが多く認められたが、男女間に有意差はなかった。茎状突起の長さと各種データに関する関連性は、血清カルシウム値と骨密度に関連性を示し、他には明らかな関連性はなかった。高齢者のパノラマX線写真を読影する上で我々歯科医は茎突舌骨靱帯の骨化に伴う茎状突起の変化について把握しておく必要がある。同時に、顕著な骨化を来している症例は血清カルシウム値の上昇を意味する可能性があることを考慮しておくべきである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680690175872
  • NII論文ID
    130007022084
  • DOI
    10.11495/jkds.kds66.0.9.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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